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2025年 09月 28日
今日、中山競馬場では秋の短距離王決定戦・スプリンターズS(GI、3歳上・芝1200m)が行われました。 レースは、三浦皇成騎手騎乗の11番人気ウインカーネリアンが2番手追走から、直線逃げ粘る7番人気ジューンブレアとの一騎打ちをクビ差制して優勝しました。 スタートから果敢に先行した2頭の争いとなりましたが、GI初制覇に燃えるウインカーネリアン&三浦皇成騎手のコンビが見事勝利を掴み取りました。 ☆スプリンターズS結果 1着 ウインカーネリアン (三 浦)1'06'9(良) 2着△ジューンブレア (武 豊)アタマ 3着▲ナムラクレア (C.ルメール)1 1/2 4着◎サトノレーヴ (J.モレイラ)ハナ 5着 ヨシノイースター (内 田)クビ パドックの個人的な評価は以下の通り(A良い B普通 C平凡) 1 ピューロマジック B+ 2人引き、いつもより落ち着いて動き良し 2 ヨシノイースター B 普通 3 ダノンマッキンリー B 普通、首高い 4 ママコチャ B 普通 5 カンチェンジュンガ B 普通、首高い 6 ナムラクレア B+ 落ち着いて動き良し 7 サトノレーヴ B+ 落ち着いて動き良し 8 ペアボルックス B 普通 9 ドロップオブライト B 普通 10 ラッキースワイネス B 2人引き、普通 11 トウシンマカオ B 2人引き、普通 12 ヤマニンアルリフラ B 普通 13 ジューンブレア B+ 2人引きでも程良く気合を表に出して動き良し 14 カピリナ B 普通 15 ルガル B 普通 16 ウインカーネリアン B+ 大変落ち着いて動き良し 今年のスプリンターズSは、昨年の1~4着馬が揃って出走。国内外のGIホース4頭を含む16頭中13頭が重賞ウイナーという、素晴らしいメンバーが揃った一戦となりました。人気は、今春の高松宮記念(GI)を制し、その後海外G1で連続2着と世界で活躍しているサトノレーヴが単勝2.2倍で1番人気。過去2年連続3着で悲願のGI初制覇を目指すナムラクレアが単勝5.7倍で2番人気。一昨年の覇者ママコチャが単勝8.0倍で3番人気。前年覇者のルガルが単勝8.2倍で4番人気。ここまでの4頭が単勝10倍以下の人気を集めていましたが、これら人気馬をまとめて負かしたのは、11番人気(単勝50.0倍)の伏兵・8歳の古豪ウインカーネリアンでした。 ウインカーネリアンのパドックは、いつも良く見せる馬ですが、今日も大変落ち着いて動きも良く、年齢を感じさせない好気配でした。 レースは、ジューンブレアが果敢にハナを奪って前半3ハロン33.7秒とそれほど早くないペースで逃げる展開となりましたが、ウインカーネリアンも大外枠から好スタートを切って、ジューンブレアに次ぐ2番手の内目を追走。最後の直線も逃げ粘るジューンブレアと併せ馬の形で最後まで後続を寄せ付けず、完全に一騎打ちに持ち込むと、ゴール手前でジューンブレアをクビ差差し切りました。 ウインカーネリアンは、2022年関屋記念(GIII)、2023年東京新聞杯(GIII)を勝ち、マイル路線で活躍していましたが、7歳となった昨年の高松宮記念(GI)からスプリント路線に転向。勝てないまでも国内外で全て掲示板(5着)内に好走を続けており、8歳になっても衰えないスピード能力を示していました。今日は不利な大外枠に入ったことで、かえって思いきった先行策を貫いて、持てる力を存分に発揮できたことが勝因でしょう。なお、ウインカーネリアンはGI挑戦9戦目、鞍上の三浦皇成騎手は、デビュー18年目、GI挑戦127戦目で悲願のJRAGI初制覇ということで、人馬とも本当におめでとうございました! 2着は、7番人気の伏兵ジューンブレアが健闘。パドックは2人引きでも入れ込むことなく、気合をじわっと秘めた感じで、動きも上々。思わず単勝馬券を買ってしまったほどの好気配でした。レースは外枠から果敢に先頭に立つと、前述のとおりそれほど早くないペースで逃げたことで最後まで脚色衰えず、しぶとく粘り切っての2着惜敗となりました。敗れたとはいえ、武豊騎手はほぼ完璧に乗ったと思いますし、サマースプリントシリーズで連続2着してきた実力を示してくれました。 ジューンブレア 父American Pharoah 母Lap of Luxury(母の父Galileo) 2021年4月16日生 牝4 鹿毛 栗東・武英智厩舎 11戦4勝(2025年9月28日現在) 3着は2番人気のナムラクレアがなんと3年連続の3着。パドックはいつもどおり落ち着いて動きも上々、良い雰囲気でした。レースは中団やや後ろから上り32.7秒の極限の末脚を繰り出して追い込んだものの、前が止まらず3着が精一杯でした。しかし、前に行かないと勝負にならない流れで精一杯の走りを見せてくれたと思います。 ナムラクレア 父ミッキーアイル 母サンクイーンII(母の父Storm Cat) 2019年3月30日生 牝6 青鹿毛 栗東・長谷川浩大厩舎 23戦6勝(2025年9月28日現在) なお、1番人気のサトノレーヴは、パドックの状態は落ち着いて動きも良かったですが、レースは好位6・7番手から末脚を伸ばすも4着まで。3番人気のママコチャは5番手の絶好位を追走も、直線伸び切れず見せ場なく6着に凡走。共に期待を裏切ってしまったのは残念でした。 それでは、最後に見事優勝したウインカーネリアン君を掲載します。 パドックは、歴戦の古豪らしく大変落ち着いて、どっしりと周回していました。 鞍上の三浦皇成騎手は、レース後派手なガッツポーズを決めて、喜びを爆発させていました。なお、レース後のインタビューでは「長かったですね。この馬とコンビを組んできて、この馬が一番走れるリズムを知っているのは自分だと、自信を持って、枠順に関係なく、一番走れるリズムだけを考えていました。「頼む、カーネリアン頼む」とそれだけでした。追いながら、この馬と長くコンビを組んできてのいろいろなことが思い出されて、8歳という年齢で、チャンスも少なくなってきて、何とかここは勝たせてあげたいと思って追っていました。鹿戸厩舎で長くお世話になり、厩舎スタッフからも応援していただき、その中で大きなところ、GIには手が届いていなかったので、中央での初GIが鹿戸厩舎というのも良かった、という気持ちです。(JRAのGI騎乗127回目での初制覇について)自分でも勝てないんじゃないか、と思った時期はありましたが、逆に、127回も勝てない自分を応援して下さるオーナー、これだけたくさんのファンがいて、あきらめずに応援してくれていました。何とか気持ちに応えなければと焦っていた時期もありましたが、叶うことができてよかったです。デビューしてから18年間、自分でもこんなに長く乗っていたのだと、皆さんに感謝する一方、18年間GIには手が届いていなかったので、本当にあきらめたら終わりだと、あきらめずに頑張っていれば、こうやって周りの方が見ていてくれて、その中で、これだけの声援に応えることができたのは、騎手をやっていて一番幸せな時間ですね。これからも人馬無事に、良いパフォーマンス、そして、ファンの方がもっともっと競馬を好きになっていただけるように、僕も騎手として頑張っていければと思います。ありがとうございました。」とコメントしていました。 管理する鹿戸雄一厩舎もスプリンターズS初制覇。なお、レース後の鹿戸師のインタビューでは「本当に嬉しいです。この馬はずっと三浦騎手とコンビを組んで、GIIIは勝たせてもらっていましたが、GIはなかなか手が届きそうで届きませんでした。本当にありがたく思っています。本当は内枠が欲しかったのですが、大外枠になり、中山の1200mのコースでは不利な枠でしたけど、三浦騎手と『出たなりで』という話をして、三浦騎手もそのつもりで乗ってくれて、良い結果を出してくれて良かったです。直線ではジューンブレアとの競り合いになり、ドキドキしていました。ウインカーネリアンは8歳となり、そこから踏ん張るのはなかなか難しいと思いましたが、よく頑張ってくれました。自分が手掛けたスクリーンヒーローの産駒でGIを勝てて調教師冥利に尽きます。年齢もあって回復に時間がかかってしまいますが、今後については馬とオーナーと相談してゆっくり考えたいと思います。」とコメントしていました。 ウインカーネリアンの父スクリーンヒーローは、ゴールドアクター、モーリス、ウインマリリンに続く4頭目のGIホース輩出となりました。なお、ウインカーネリアンの血統は父がグラスワンダー系、母の父がマイネルラヴでいずれも中山でGIを勝っており、中山の舞台はぴったりだったのでしょう。 また、8歳馬の平地JRAGI制覇は、2008年天皇賞・秋、マイルCSのカンパニー、2010年スプリンターズSのウルトラファンタジー、2011年高松宮記念のキンシャサノキセキに続く史上4頭目の快挙となりました。 3連単は130万1150円の超大波乱で、ほとんどの人は馬券を外したはずですが、レース後は三浦騎手への温かい声援が止むことなく、とても良い雰囲気だったのが印象に残りました。 似た者コンビの苦労人(馬)が、あきらめずに挑戦し続けてついに掴んだ悲願のGI制覇、本当に本当におめでとうございました! ウインカーネリアン 父スクリーンヒーロー 母コスモクリスタル(母の父マイネルラヴ) 2017年4月16日生 牡8 栗毛 新冠 コスモヴューファーム生産 美浦・鹿戸雄一厩舎 33戦9勝(2025年9月28日現在) (重賞勝利)2025年スプリンターズS(GI)、2023年東京新聞杯(GIII)、2022年関屋記念(GIII)
by Yuuichiro_K
| 2025-09-28 23:53
| 25年GI優勝馬写真
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