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愛しのサラブレッド写真館 

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2019年 07月 30日

世界に衝撃を与えた日本競馬史上最強の名馬、ディープインパクト逝く

大変悲しいニュースが飛び込んできました。武豊騎手との名コンビで、強烈な末脚を武器に2005年史上2頭目の無敗の三冠馬となり、4歳時には天皇賞・春、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念を勝ってJRA史上最多タイのGI7勝を挙げ、種牡馬としても2012年から7年連続リーディングサイヤーとなって、海外でもGIホースを輩出する大活躍を続けていたスーパーホース・顕彰馬ディープインパクトが、繋養先の社台スタリオンステーションで頚椎骨折のため、30日朝に亡くなりました。奇しくも16歳で亡くなった父サンデーサイレンスとほぼ同じ17歳の早すぎるお別れとなってしまいました。

ディープインパクトは、父が歴史的大種牡馬サンデーサイレンス、母がドイツG1優勝馬ウインドインハーヘアという良血馬。2004年12月のデビュー戦(芝2000m)を上がり3ハロン33.1秒の末脚で後の重賞4勝馬コンゴウリキシオーに4馬身差で快勝。2戦目の若駒S(OP)は4コーナーで約10馬身あった差を直線だけで大外一気でごぼう抜きし、ゴール時点では後続に5馬身をつける衝撃の勝利で2連勝。

この走りを映像で見て、普段は中山競馬場に行かない自分も、ディープインパクトが見たい!という気持ちが抑えられず、弥生賞(GII)を観戦に行きました。ディープインパクトをパドックで初めて見た感想は、馬体が小柄で、時折小走りになる場面もあったことから「まだ馬が若いな」という印象。それでも、朝日杯FS優勝馬マイネルレコルト、京成杯優勝馬アドマイヤジャパンを相手に、鞭を使うことなく勝利。2005年牡馬クラシックの最有力候補となりました。(弥生賞の写真は、2005年3月6日の記事をご覧下さい)

クラシック第一弾・皐月賞(GI)は、スタートで躓くアクシデントがあり、後方2番手からの競馬となりましたが、直線は次元の違う末脚で2着シックスセンスに2 1/2馬身差をつける完勝。レース後、武豊騎手はレース後の記念撮影で指を1本立てて一冠をアピール。三冠馬シンボリルドルフの鞍上・岡部幸雄騎手が行ったパフォーマンスを再現し、三冠の手応えを掴んでいたようでした。(皐月賞の写真は、2005年4月17日の記事をご覧下さい)

クラシック第二弾・日本ダービー(GI)は、単勝1.1倍の史上最高の支持を集めましたが、その期待に応え2着インティライミに5馬身差、前年のキングカメハメハに並ぶダービーレコードタイの2'23'2で完勝。史上6頭目の無敗の二冠馬となりました。(日本ダービーの写真は、2005年5月29日の記事をご覧下さい)

夏を無事に越し、秋緒戦の神戸新聞杯(GII)はトウショウボーイのレコードを塗り替える1'58'4で快勝すると、三冠のかかった菊花賞は、菊花賞入場レコードとなる13万6701人の観衆が見守る中(この中に普段は関西遠征しない自分もいました。初めての京都競馬観戦でした)、単勝1.0倍の圧倒的人気に応えて、アドマイヤジャパンに2馬身差をつけて勝利。シンボリルドルフ以来、史上2頭目の無敗の三冠馬となりました。(菊花賞の写真は、2005年10月23日の記事をご覧下さい)

続く有馬記念(GI)はファン投票1位、単勝1.3倍の圧倒的支持を受けて出走しましたが、ハーツクライの2着に敗れ、初の敗戦。あの時の信じられないという空気、どよめきは今でも印象深いです。負けることが異常事態、そんな馬は、近年ではディープインパクトくらいのものでしょう。2005年は当然のことながら年度代表馬となりました。(有馬記念の写真は、2006年3月16日の記事をご覧下さい)

2006年は初戦の阪神大賞典(GII)を初の稍重馬場を苦にすることなく3 1/2馬身差をつけ快勝すると、天皇賞・春はロングスパートで押し切る圧巻の走りで3'13'4の芝3200mのレコードタイムで勝利。(このレースは、ディープインパクトが出走した国内GIレースで唯一、テレビ観戦でした。現地で見たかったなあ!)続く宝塚記念(GI)は、初めての雨のレースとなりましたが、2着ナリタセンチュリーに4馬身差をつけ完勝。圧倒的な力を見せ続けて、欧州最高峰レース・凱旋門賞(仏G1)制覇の期待が大きく膨らみました。(宝塚記念の写真は、2006年6月25日の記事をご覧下さい)

しかし、凱旋門賞は1番人気に推されましたが、いつもの飛ぶような末脚は発揮できず3着入線まで。レース後、禁止薬物が検出され、失格処分となるという大変残念な結果に終わりました。
それでも、帰国初戦のジャパンC(GI)は、1.3倍の圧倒的支持に応え優勝。引退レースとなった有馬記念も2着に3馬身差をつける完勝で、見事引退の花道を飾り、2年連続の年度代表馬に輝きました。(ジャパンCの写真は、2006年11月26日の記事を、有馬記念・引退式の写真は、2006年12月24日の記事をご覧下さい)

ディープインパクトは、引退後も種牡馬としてGI7勝のジェンティルドンナを筆頭に、日本ダービー馬を5頭(ディープブリランテ、キズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ)、海外でもGIホースを輩出するなど大成功を収めました。
種牡馬リーディングも2012年からトップを守り続け、今年も2位のハーツクライに25億の差をつけているトップサイヤーであり、生産界にとって、世界的な損失となってしまいました。

それにしても、ブログを始めた2004年にこのような素晴らしい馬と巡り合えた幸運に、ただただ感謝しかありません。
そして、これから君のような強い競争馬に再び出会えるのだろうか?競争馬&種牡馬として日本競馬史上最高の評価を与えるに相応しい稀代の名馬であり、もちろん自分にとっても愛しのサラブレッドでした。

最後に、ディープインパクトの日本ダービー出走時の写真をいつもより大きめのサイズで掲載します。
今はただ、長い活躍、本当にお疲れさまでしたという言葉しかありません。どうか安らかに眠ってください。競争馬として素晴らしい走りを見せ、種牡馬としても沢山の名馬を出してくれて、本当にありがとうございました!

ディープインパクト(撮影日2005年5月29日・日本ダービー)
父サンデーサイレンス 母ウインドインハーヘア(母の父Alzao)
2002年3月25日生 牡17 鹿毛 早来 ノーザンファーム生産 栗東・池江泰郎厩舎
(通算成績)14戦12勝
(重賞勝利)2006年ジャパンC(GI)、有馬記念(GI)、天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)、2005年日本ダービー(GI)、皐月賞(GI)、菊花賞(GI)、2006年阪神大賞典(GII)、2005年弥生賞(GII)、神戸新聞杯(GII)
(主な産駒・GI勝利馬)ジェンティルドンナ(ジャパンCほか)、トーセンラー(マイルCS)、ダノンシャーク(マイルCS)、リアルインパクト(安田記念ほか)、マルセリーナ(桜花賞)、ディープブリランテ(日本ダービー)、スピルバーグ(天皇賞・秋)、ヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル)、ジョワドヴィーヴル(阪神JF)、レッドキングダム(中山大障害)、ビューティーパーラーBeauty Parlour (プール・デッセ・デ・プーリッシュ)、 キズナ(日本ダービー)、アユサン(桜花賞)、ラキシス(エリザベス女王杯)、ショウナンパンドラ(ジャパンCほか)、エイシンヒカリ(香港Cほか)、ハープスター(桜花賞)、ミッキーアイル(マイルCSほか)、マリアライト(宝塚記念)、サトノアラジン(安田記念)、トーセンスターダム(トゥーラックハンデキャップほか)、リアルスティール(ドバイターフ)、ミッキークイーン(オークスほか)、ダノンプラチナ(朝日杯FS)、ショウナンアデラ(阪神JF)、マカヒキ(日本ダービー)、ディーマジェスティ(皐月賞)、サトノダイヤモンド(有馬記念ほか)、シンハライト(オークス)、ヴィブロス(ドバイターフほか)、ジュールポレール(ヴィクトリアマイル)、サトノアレス(朝日杯FS)、アルアイン(皐月賞ほか)、アンジュデジール(JBCレディスクラシック)、ダノンプレミアム(朝日杯FS)、ケイアイノーテック(NHKマイルC)、ワグネリアン(日本ダービー)、フィエールマン(天皇賞・春ほか)、サクソンウォリアーSaxon Warrior(英2000ギニー)、スタディオブマンStudy of Man (ジョッケクルブ賞)、ダノンファンタジー(阪神JF)、グランアレグリア(桜花賞)、ラヴズオンリーユー(オークス)、ロジャーバローズ(日本ダービー)
世界に衝撃を与えた日本競馬史上最強の名馬、ディープインパクト逝く_b0015386_23083680.jpg
これからもディープインパクトの血は、日本だけではなく、世界に広がり、発展し続けていくことでしょう。活躍を天国から見守ってください!


by Yuuichiro_K | 2019-07-30 23:13 | 天国に旅立った名馬 | Trackback | Comments(0)


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