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2019年 05月 26日

令和最初のダービーは大波乱!12番人気ロジャーバローズがレコードで制す

今日、東京競馬場では32度を超える真夏の暑さの下、11万人を超える大観衆がつめかけ、2016年生まれ7061頭のサラブレッドの頂点を決める競馬の祭典・日本ダービー(GI、3歳・芝2400m)が行われました。
レースは、浜中俊騎手騎乗の12番人気ロジャーバローズが2番手追走から直線早めに抜け出すと、最後までしぶとく粘り、好位から追い上げた3番人気ダノンキングリーの追撃をクビ差おさえて優勝しました。
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ハイペースを果敢に先行したロジャーバローズが後続の追い上げを封じ、見事栄光のダービー馬に輝きました。

☆日本ダービー結果
1着 ロジャーバローズ (浜 中)2'22'6(良)レースレコード
2着▲ダノンキングリー (戸 崎)クビ
3着○ヴェロックス   (川 田)2 1/2
4着◎サートゥルナーリア(D.レーン )1/2
5着 ニシノデイジー  (勝 浦)アタマ

パドックの個人的な評価は以下のとおり(A良い、B普通、C平凡)

1 ロジャーバローズ  B  
  2人引き、普通、時折小走り
2 ヴィント      B     
  普通
3 エメラルファイト  B
  2人引き、普通
4 サトノルークス   B
  普通
5 マイネルサーパス  B
  普通
6 サートゥルナーリア B+
  大変落ち着いて周回
7 ダノンキングリー  B+
  2人引き、気合いを表に出しながらも動き良し
8 メイショウテンゲン B
  普通、時折小走り
9 ニシノデイジー   B
  普通
10 クラージュゲリエ  B
  2人引き、普通
11 レッドジェニアル  B
  2人引き、普通、時折小走り
12 アドマイヤジャスタ B
  2人引き、普通、時折小走り
13 ヴェロックス    B+
  皐月賞の時より煩いところ見せるも動き良し
14 ランフォザローゼス B+
  落ち着いて動き良し
15 リオンリオン    B
  2人引き、普通
16 タガノディアマンテ B
  2人引き、普通
17 ナイママ      B
  2人引き、普通、時折小走り
18 シュヴァルツリーゼ B
  2人引き、普通

今年の日本ダービーは、史上初めて年明け初戦で皐月賞を制し、ディープインパクト以来、14年振りの無敗のクラシック二冠制覇を狙うサートゥルナーリアが単勝1.6倍の圧倒的1番人気に推されました。2番人気は皐月賞2着、サートゥルナーリアとアタマ差の接戦を演じたヴェロックスで単勝4.3倍。3番人気は皐月賞1・2着と同タイムの3着馬ダノンキングリーで単勝4.7倍。4番人気以下は単勝25倍以上とオッズ的には3強対決となっていましたが、この3強をおさえて見事優勝したのは、単勝93.1倍と全く人気がなかった12番人気の伏兵・サートゥルナーリアと同厩舎の重賞未勝利馬ロジャーバローズでした。

ロジャーバローズのパドックは、2人引きで時折小走りになる場面もありましたが、まずまず落ち着いて周回していました。レースは、青葉賞を逃げ切ったリオンリオンが1000m通過57.8秒と超ハイペースで逃げる展開となりましたが、ロジャーバローズは好スタートを切って離れた2番手を追走。最後の直線で一杯になったリオンリオンを早めに交わして先頭に立つと、最後まで脚色衰えることなく懸命に粘って、ただ一頭追い詰めてきたダノンキングリーをクビ差おさえこみました。
最内枠を活かしロスなくレースを進めることができ、1・2番人気が後方にいて追いかけてくる馬がいなかったという展開に恵まれた面はありましたが、ハイペースの流れの中、積極的に動いてダービーレコードの2'22'6で駆け抜けたのですから、力を出し切った文句なしの勝利といえるでしょう。浜中騎手の好騎乗も光りましたね。本当に素晴らしい走りを見せてくれました。

2着は3番人気のダノンキングリー。パドックはじわっと気合いを表に出しながらも落ち着いて周回。素晴らしいデキだったと思います。レースはライバル2頭より前の好位5番手の内をロスなく追走。4コーナーで早々と3番手に上がる積極策で、最後の直線懸命に前を追いましたが、惜しくもクビ差届きませんでした。兄がマイラーのダノンレジェンドということで距離延長の不安も囁かれていましたが良く走りました。また、2年連続のダービー2着で戸崎騎手は悔しかったでしょうが、こちらも素晴らしい騎乗だったと思います。

ダノンキングリー
父ディープインパクト 母マイグッドネス(母の父Storm Cat)
2016年3月25日生 牡3 美浦・萩原清厩舎
5戦3勝(2019年5月26日現在)
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3着は、2番人気のヴェロックス。パドックは皐月賞の時より煩いところを見せていましたが、動きは上々で力を出せる状態に見えました。レースは中団からレースを進めると、最大のライバル・サートゥルナーリアと直線併せ馬の形で伸び、サートゥルナーリアに競り勝ったものの、先に抜け出した前の2頭には及びませんでした。サートゥルナーリアを意識せざるを得なかった分、前を追うのが遅れた感があり、ちょっと運がなかったですね。

ヴェロックス
父ジャスタウェイ 母セルキス(母の父Monsun)
2016年3月4日生 牡3 栗東・中内田充正厩舎
7戦3勝(2019年5月26日現在)
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なお、1番人気サートゥルナーリアは後方から直線メンバー最速の上がり34.1秒で追い込むも4着まで。パドックは大変落ち着いて周回、気配は悪くなかったのですが、スタートで立ち上がってしまい痛恨の出遅れ。中団やや後ろからの競馬となり、前残りの展開となっただけに厳しいレースになってしまいました。圧倒的人気を裏切ってしまったのは残念でした。

それにしても、令和最初の新時代のダービーとはいえ、「同一厩舎の2頭出しは人気薄を狙え」、「長距離の逃げ馬」、「ダービーの乗り替わりは勝てない」という、昭和時代からの古き良き格言が健在だったのは、なんだか嬉しくなってしまいました。新時代になっても変わらぬものってあるんですねえ!

それでは、最後に見事優勝したロジャーバローズ君を掲載します。

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パドックは、酷くイレ込んだスプリングSの時と違い、大分落ち着いて周回するようになっていて、気性の成長を感じました。

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鞍上の浜中俊騎手は、デビュー13年目で悲願のダービー初制覇。レース後のインタビューでは「びっくりしています。少し残っているのではと思いましたが、必死でしたし、分からない感じでした。本当に無というか、頭が真っ白で、びっくりしすぎて、分からない感じでした。ロジャーバローズとしては、ある程度ペースが速くなった方が良いと思っていたので、展開としては自分が思っていた中で一番良い展開でした。あとは後ろを待たずに、差されても仕方ないという気持ちで直線は追いだしていきました。坂を上るところで逃げ馬を交わして、そこからもう一段馬が辛抱して、一生懸命走ってくれました。長く持久力を生かす形が得意だと思いますが、そういうタフなところは、ひとつの武器だと思います。ダービー馬になりましたので、このあとも当然期待できる馬だと思います。多くの方に声をいただきましたが、それでも実感が湧かない、ふわふわしているのが正直なところです。勝ったということは頭では分かりましたから、これから余韻に浸りたいと思います。」とコメントしていました。
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ウイニングランのロジャーバローズと浜中俊騎手です。なお、二桁人気馬のダービー優勝は1966年テイトオー以来、53年振り5頭目、グレード制導入後は初の快挙となりました。

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角居勝彦厩舎は、2007年ウオッカ以来となる2度目のダービー制覇。レース後のインタビューでは「ダービーは2度目の制覇ですが、嬉しいです。ウオッカで初制覇の時は何が何だか分からない状態でしたが、2度目の今回はまた違った嬉しさがあります。ロジャーバローズはセレクトセール出身の馬で、初めて見た時はいい馬だと思いました。デビューしてから思った通りに成長してくれましたが、前々走のスプリングSでは初めての関東への遠征で、大きく負けてしまったので、2度目の輸送は意識しましたが、今日は落ち着いていました。この馬は先行しして長くいい脚を使うのが良さです。これでお休みに入って、夏を越して秋ということになります。オーナーが凱旋門賞に出したいと言われたそうですが、そうなったらその準備をしたいと思います。サートゥルナーリアが4着となり、少し複雑なところがありますが、違う馬で皐月賞と日本ダービーの二冠を制したことになるので、それは嬉しいです。」とコメントしていました。
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血統を見ると、母方がGI7勝馬ジェンティルドンナの近親という良血馬。決してフロックではないと思います。また、ロジャーバローズの父ディープインパクトは、ディープブリランテ、キズナ、マカヒキ、ワグネリアンに続く5頭目のダービー馬を輩出。先週のオークスに続き1・2着を占めたのは流石でした。なお、レース後の角居師のインタビューによると、サートゥルナーリアに代わって凱旋門賞(仏GI)挑戦の可能性もでてきたようで、今後の活躍が楽しみです。今日は本当におめでとうございました!

ロジャーバローズ
父ディープインパクト 母リトルブック(母の父Librettist)
2016年1月24日生 牡3 鹿毛 新ひだか 飛野牧場生産 栗東・角居勝彦厩舎
6戦3勝(2019年5月26日現在)
(重賞勝利)2019年日本ダービー(GI)


by Yuuichiro_K | 2019-05-26 23:59 | 19年GI優勝馬写真 | Trackback | Comments(0)


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