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愛しのサラブレッド写真館 

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2019年 04月 03日

さようなら愛しのサラブレッド、GI7勝の歴史的名牝ウオッカ逝く

今日、大変残念なニュースが飛び込んできました。牝馬として64年振りに史上3頭目の日本ダービー馬となり、古馬となってからも強豪牡馬相手にジャパンC(GI)、天皇賞・秋(GI)、安田記念(GI)を勝つなどJRA史上最多タイのGI7勝を挙げ、顕彰馬にも選出された歴史的名牝・ウオッカ(牝15)が、滞在していたイギリスニューマーケットにおいて、3月に発症した右後肢第3指骨粉砕骨折が原因による蹄葉炎のため、4月1日に亡くなったことが判明しました。早すぎるお別れとなってしまい、本当に悲しいです。

ウオッカは、2006年10月にデビュー勝ち。2戦目の黄菊賞(500万下)は2着に敗れたものの、格上挑戦で挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を1'33'1のレコードで勝ち、2歳女王に輝きました。

3歳時はエルフィンS(OP)、チューリップ賞(GIII)を連勝し、桜花賞(GI)は圧倒的1番人気に推されるも宿命のライバル・ダイワスカーレットの2着に敗戦。しかし、次走を牝馬クラシック第2戦のオークス(GI)ではなく3歳最高峰レース・日本ダービー(GI)に果敢に挑戦すると、2着アサクサキングスに3馬身差をつけて圧勝。歴史的勝利を飾りました。
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日本ダービーのパドック写真(撮影日2007年5月27日)です。初めて見た彼女は、牡馬に混じっても全く見劣りしない好馬体、力強い動きが目に付きました。それは古馬になってからも最後まで変わりませんでした。

この大快挙に心から感動し、すっかりウオッカの虜となった自分は、彼女が休む間もなく出走した同年の宝塚記念(GI)(結果8着)、秋華賞(GI)(結果3着)を東京から関西まで現地観戦に行ってしまいました。これほど惚れ込んだ馬はそうはいません。まさに愛しのサラブレッドでした。

3歳秋から4歳春にかけてのウオッカは、ジャパンC(GI)4着、有馬記念(GI)11着、京都記念(GII)6着、ドバイDF(首G1)4着、ヴィクトリアマイル(GI)2着と勝ちきれないレースが続きました。
しかし、2008年安田記念(GI)で2着に3 1/2馬身差をつける圧勝で華麗に復活すると、秋には天皇賞・秋(GI)でダイワスカーレットとの歴史的名勝負を制し、レコードタイムで優勝。古馬短・中距離界の頂点に立ち、2008年の年度代表馬に選出されました。

5歳となった2009年は、国内初戦のヴィクトリアマイル(GI)を2着に7馬身差をつける圧巻の勝利でGI5勝目を挙げると、続く安田記念(GI)は狭い馬群をこじ開けるド根性の走りで堂々の連覇達成。秋はジャパンC(GI)を3度目の正直でついに勝利。牝馬として史上初となる2年連続の年度代表馬に選出されました。

引退後は欧州で繁殖入りし、Sea The StarsやFrankelなど欧州の大種牡馬の仔6頭を産みましたが、残念ながら現時点で重賞勝ち馬は出ていません。
ただ、産駒のうち3頭は牝馬ということで、彼女達を通じてウオッカの血が受け継がれていくことになりそうなのは幸いです。

それにしても、彼女はGI7勝のうち、6勝が東京競馬場で挙げたものであり、無類の東京競馬場巧者でしたね。
銅像が東京競馬場に造られたのも納得です。また、パドックの立ち振る舞いの美しさ、常に落ち着いて堂々と周回していた姿は、走る馬のお手本といってよく、今も目に焼き付いています。
本当に多くの感動と素晴らしい走りをありがとう!心からご冥福をお祈りします。

なお、彼女が優勝した栄光の日の写真は以下の記事に掲載していますので、よろしければご覧ください。

2007年日本ダービー    2007年5月27日
2008年安田記念      2008年6月8日
2008年天皇賞・秋     2008年11月2日
2009年ヴィクトリアマイル 2009年5月17日
2009年安田記念      2009年6月7日
2009年ジャパンC     2009年11月29日

ウオッカ(撮影日2009年6月7日・安田記念)
父タニノギムレット 母タニノシスター(母の父ルション)
2004年4月4日生 牝15 鹿毛 静内・カントリー牧場生産 栗東・角居勝彦厩舎
(通算成績)26戦10勝
(重賞勝利)2009年ジャパンC(GI)、2008天皇賞・秋(GI)、2007年日本ダービー(GI)、2009年・2008年安田記念(GI)、2009年ヴィクトリアマイル(GI)、2006年阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、2007年チューリップ賞(GIII)
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by Yuuichiro_K | 2019-04-03 23:59 | 天国に旅立った名馬 | Trackback | Comments(0)


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