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2016年 07月 08日

地方競馬所属馬唯一の中央GI制覇、メイセイオペラが死亡

大変残念なニュースです。地方競馬所属としてただ1頭の中央競馬のGI(1999年フェブラリーS)優勝馬メイセイオペラが、7月1日に繋養先の韓国で心不全のため亡くなっていたことが判明しました。

メイセイオペラは、地方競馬の水沢(岩手県)・佐々木修一厩舎所属馬で、1996年7月に盛岡競馬場でデビュー勝ち。4勝を挙げ2歳を終えると、3歳時は東北ダービー、岩手のダービーにあたる不来方賞を共に圧勝、東北王者に輝きました。しかし、直後に厩舎内で暴れて頭蓋骨骨折、競走馬生活の危機に見舞われる悲劇があり、なんとか復帰するも、万全な状態ではなくダービーグランプリ、スーパーダートダービーは共に10着に敗れました。それでも、この年敗れたのはその2戦のみ、4歳時は9戦7勝の好成績を残しました。

5歳時は2歳年上の地方競馬のもう1頭の怪物と呼ばれたアブクマポーロとのライバル対決で大いに地方競馬を盛り上げました。中距離戦で強かったアブクマポーロの前に川崎記念4着、帝王賞3着、東京大賞典で2着に敗れるも、得意のマイル戦だった南部杯でアブクマポーロを破り待望の初GI制覇を飾りました。そして、1999年フェブラリーS(GI)に果敢に挑戦し見事優勝、史上初めて地方競馬所属馬の中央GI制覇の快挙(これは現在も唯一の記録)を達成。その後も帝王賞を優勝するなど活躍し1999年NARグランプリ年度代表馬に輝きました。

2000年に左前脚屈腱炎を発症し引退すると、レックススタッドで種牡馬入りしましたが、韓国に輸出された産駒が活躍したことから生産者の要望もあって2006年に韓国へ輸出されました。なお、韓国では2011年韓国の皐月賞に当たるKRAカップマイル優勝馬ソスルッテムンを輩出するなど活躍しました。

先週のマーベラスサンデー、ファレノプシスに続き、90年代の名馬がまた世を去ったということで、寂しい気持ちで一杯になりました。しかし、フェブラリーS優勝の快挙は永遠に色褪せることなく、語り継がれていくことでしょう。さようなら地方競馬の英雄・メイセイオペラ、心からご冥福をお祈りします。
なお、牧場見学の写真は2004年9月17日の記事及び2007年1月4日の記事をご覧ください。

メイセイオペラ(撮影日1999年1月31日・フェブラリーS)
父グランドオペラ 母テラミス(母の父タクラマカン)
1994年6月6日生 牡22 栗毛 平取・高橋啓生産 水沢・佐々木修一厩舎
(通算成績)35戦23勝
(重賞勝利)1999年フェブラリーS(GI)、帝王賞(GI)、1998年南部杯(GI)、マーキュリーC(GIII)
地方競馬所属馬唯一の中央GI制覇、メイセイオペラが死亡_b0015386_23373212.jpg


by Yuuichiro_K | 2016-07-08 23:38 | 天国に旅立った名馬 | Trackback | Comments(0)


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