2016年 06月 05日
今日の東京競馬場は心配された雨も1R前に止み、良馬場で春のマイル王決定戦・安田記念(GI、3歳上・芝1600m)が行われました。 レースは、田辺裕信騎手騎乗の8番人気ロゴタイプが、積極的にハナを奪って逃げると、そのまま後続を寄せ付けず、2番手からレースを進めた1番人気モーリスに1 1/4馬身差をつけて優勝しました。 ☆安田記念結果 1着 ロゴタイプ (田 辺)1'33'0(良) 2着◎モーリス (T.ベリー)1 1/4 3着 フィエロ (内 田)ハナ 4着 サトノアラジン (川 田)クビ 5着▲イスラボニータ (蛯 名)1/2 パドックの個人的な評価は以下のとおり(A良い、B普通、C平凡) 1クラレント B 普通 2ダノンシャーク B 2人引き、時折小走り 3ロサギガンティア C 落ち着きなし 4ディサイファ B+ 落ち着いて伸びやかな歩様 5コンテントメント B 普通、首高い 6ロゴタイプ B 普通 7サトノアラジン B+ 落ち着いて前走、京王杯SCの状態をキープ 8モーリス B+ いつもどおりやや首高も、落ち着いて力強い踏み込み 9イスラボニータ B 普通 10フィエロ B 2人引き、普通 11リアルスティール B 2人引き、出走馬でもっとも落ち着きないが、気合を表に出すタイプ 12レッドアリオン B 普通 今年の安田記念は、1988年以来28年振りに12頭立てと少頭数のレースとなりましたが、12頭中GI馬が6頭と素晴らしいメンバーが揃った一戦となりました。中でも国内外でGI4勝を含む7連勝中、安田記念連覇を狙う前年の年度代表馬モーリスが単勝1.7倍の圧倒的人気を集めました。しかし、勝ったのは2013年皐月賞優勝以来、長く勝ち星から遠ざかっていた8番人気の古豪ロゴタイプでした。 ロゴタイプのパドックは、特に目立つ感じはありませんでしたが、普通に落ち着いて周回していました。レースは、好スタートを切ったディサイファを交わしてハナを奪い、1000m通過59.1秒と、スローペースで折り合いを欠く馬が続出した後続を尻目に楽なペースで逃げました。最後の直線も他馬が馬場を気にして外に進路をとる中、あえて最内を突き経済コースにこだわった田辺騎手の好判断もあり、ロスなく走りきって最後まで後続に影を踏ませず、脚色衰えることなく上がり3ハロンを33.9秒でまとめて、鮮やかに逃げ切りました。単騎で楽に逃げられたという展開の利があったのは間違いないですが、思い切って逃げることでロゴタイプの力を引き出した田辺騎手の好騎乗が光りました。 圧倒的1番人気に推されたモーリスは2着。香港遠征帰りの着地検疫のため、トレセンに帰れずに東京競馬場で帯同馬もなく調整された影響が心配されたのですが、パドックは昨年同様、首をやや高くあげながらも落ち着いて力強い歩様を披露。なかなか良い雰囲気で周回していました。レースは、逃げたロゴタイプに続く2番手を掛かりながらも必死に抑える感じで追走。上がり34.0秒の末脚を繰り出して、必死に前を追いましたが、逃げたロゴタイプを捕らえるには至りませんでした。それでも後続の厳しいマークを振り切って、2着を確保したのは流石でした。王者の底力は見せてくれたと思います。 モーリス 父スクリーンヒーロー 母メジロフランシス(母の父カーネギー) 2011年3月2日生 牡5 美浦・堀宣行厩舎 15戦9勝(2016年6月5日現在) 3着は、6番人気のフィエロが健闘。パドックは2人引きでも落ち着いて周回していました。レースは後方3番手からメンバー中最速の上がり33.5秒の末脚を繰り出し大外から追い上げて、2着のモーリスにハナ差まで迫りました。7歳でもまだまだ元気ですね、2年連続マイルCS(GI)2着の底力を改めて示しました。 フィエロ 父ディープインパクト 母ルビー(母の父Danehill) 2009年3月14日生 牡7 栗東・藤原英昭厩舎 20戦5勝(2016年6月5日現在) なお、2番人気のリアルスティールはよもやのブービー11着に大敗。パドックはメンバー中一番落ち着きがありませんでしたが、多少煩くても結果を残してきた(菊花賞、中山記念など)馬だけに案外な結果でした。前半スローペースで折り合いを欠いた影響でスタミナを消耗したようで、気性の悪さが仇になった感じです。3番人気のサトノアラジンは直線、前がなかなか開かずに追い出しが遅れた影響が大きく4着まで。共に人気を裏切ったのは残念でした。 それにしても、改めてレース映像を見ると、ロゴタイプ以外は無理矢理抑えようとした結果、折り合いに苦しんで最後の伸びを欠いた感じを受けました。自分の競馬をやりきったのはロゴタイプだけだった、そんな印象が残った今年の安田記念でした。 それでは、最後に見事優勝したロゴタイプ君を掲載します。 パドックは、特に目立つ感じはありませんでしたが、落ち着いて周回していました。 鞍上の田辺裕信騎手は、2014年フェブラリーS以来となるGI2勝目。あの時も人気薄の逃げ切りでしたね。なお、レース後のインタビューでは「素直で乗りやすい馬なので、こちらの試したい指示に忠実に反応してくれます。ですから今日の作戦にも対応してくれました。ハナを主張しようと思っていましたし、中途半端は良くないと、思い切って、ただ一頭、最短距離を通ることにしました。そして、最後までしっかりと脚を使いきってくれました。」とコメントしていました。 ウイニングラン中のロゴタイプ君と田辺騎手です。会心の騎乗だったのでしょう、田辺騎手は、何度も腕を振り上げて喜びを爆発させていました。 田中剛厩舎は平地GI3勝目。全てロゴタイプで挙げたもので、重賞勝利もロゴタイプの皐月賞以来、約3年振りとなる久しぶりの制覇となりました。 父ローエングリンは、2003・2004年の安田記念で2年連続で1番人気に推されながらも3、5着と敗れており、父の雪辱を見事果たしました。世界のマイル王モーリスを破る大金星&長いスランプを越えて3年2ヶ月振りのGI制覇、本当におめでとうございました! ロゴタイプ 父ローエングリン 母ステレオタイプ(母の父サンデーサイレンス) 2010年3月10日生 牡6 黒鹿毛 千歳・社台ファーム生産 美浦・田中剛厩舎 25戦6勝(2016年6月5日現在) (重賞勝利)2016年安田記念(GI)、2014年皐月賞(GI)、2013年朝日杯フューチュリティS(GI)、2014年スプリングS(GII)
by Yuuichiro_K
| 2016-06-05 23:03
| 16年GI優勝馬写真
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