2010年 09月 06日
☆今日のニュース 「さらば不屈のダート王!カネキヒキリ(牡8)が引退、種牡馬入り」 今日、度重なる故障を乗り越えて、ダートGI(級)レースで7勝を挙げるなど長くダート界のトップホースとして活躍してきたカネヒキリが、以前発症した右前脚と反対側の左前脚に屈腱炎を発症したため、引退することが発表されました。なお、今後は優駿スタリオンステーションで種牡馬入りする予定です。 カネヒキリは、2004年7月に芝1400mでデビュー(結果4着)。3戦目からダートに路線を変更して2着に1.2秒差をつける圧勝で未勝利を脱すると、そこから破竹の快進撃で長く国内ダート界のトップホースとして活躍しました。2005年は3歳ダート王決定戦・ジャパンダートダービー(GI)、ダービーグランプリ(GI)を連勝、秋はジャパンCダート(GI)をレコードで制し、最優秀ダートホースに選出されました。この年は、カネヒキリと同一馬主のディープインパクトが無敗の三冠馬で年度代表馬に選出されましたが、ダート界におけるカネヒキリの強さもディープインパクトに負けない強さを誇ったこともあり、「砂のディープインパクト」と呼ばれるほどでした。 翌2006年は春のダート王決定戦・フェブラリーS(GI)を2着に0.5秒差をつけ圧勝するも、続く初の海外遠征となったドバイWC(GI)は4着。帰国後の帝王賞(GI)2着後に悪夢がカネヒキリを襲いました。右前脚に重度の屈腱炎を発症。本来なら引退して種牡馬入りしてもおかしくありませんでしたが、臀部の脂肪組織にある幹細胞を右前脚の腱に移植する手術を受け、長期休養をしてでも復帰を目指すことなったのでした。 長い苦難を乗り越えてカネヒキリが帰ってきたのは、2008年11月の武蔵野S(GIII)でした。この日パドックで久々に見たカネヒキリは、2年4ヶ月前に見た帝王賞時と比べても遜色のない元気一杯の力強い歩様を見せていて、復帰戦としてはなかなかのデキに見えましたが、レースはやはり久々が応えたのか、道中かかり気味、直線は前が壁になって満足に追うこともできず9着に敗れました。しかし、続くジャパンCダート(GI)では、カネヒキリが故障した間に、2008年フェブラリーSを制するなどしてダート王の座についた同期のヴァーミリアンに1番人気を譲り4番人気でしたが、レースは初騎乗だったルメール騎手の好騎乗もあり堂々3年ぶりのV、奇跡と呼ぶに相応しい見事な復活で再びダート王の座に就きました。続く東京大賞典(JpnI)もヴァーミリアンとの一騎打ちを制して優勝し、文句なしに2005年以来3年振り2度目の最優秀ダートホースに輝きました。 2009年は川崎記念(JpnI)優勝、フェブラリーS(GI)3着、かしわ記念(JpnI)2着と堅実なレースを続けますが、かしわ記念後に骨折が判明、再び1年以上の長期休養を余儀なくされました。 そして、今年の6月の帝王賞(JpnI)で1年2ヶ月ぶりに復帰、相変わらずの素晴らしい馬体を保ってパドックに登場し、レースも久々を感じさせない堂々の2着。衰えることのない走りに本当に感動しました。続くマーキュリーC(JpnIII)を優勝し、この秋は日本テレビ盃(JpnII)から始動を予定していた矢先の3度目の大きな故障発症となってしまいました。 カネヒキリが、ダート路線で残した成績は、日本競馬史上に残る素晴らしいものがありました。長期休養を挟みながら復活した不屈の強さに心から感動させてもらいました。個人的に、ぜひとも殿堂馬として表彰してもらいたいと思うくらいです。今は長い長い現役生活、本当におつかれさまと言いたいですね。そして種牡馬としても活躍を心から祈りたいと思います。 今日は、カネヒキリの写真をいつもより大き目の写真で掲載します。 なお、生で観戦したカネヒキリが勝った重賞レースの記事は下のリンクをご参照ください。 1 初重賞制覇を飾った2005年ユニコーンS(GIII) 2 中央競馬における初GI制覇となった2005年ジャパンCダート(GI) 3 個人的に最も強いレースだった2006年フェブラリーS(GI) 4 ヴァーミリアンを再度破り、年度代表馬を決定づけた2008年東京大賞典(JpnI) カネヒキリ(撮影日2008年12月29日・東京大賞典) 父フジキセキ 母ライフアウトゼア(母の父Deputy Minister) 2002年2月26日生 牡8 栗毛 早来・ノーザンファーム生産 栗東・角居勝彦厩舎 (通算成績)23戦12勝(2010年7月19日現在) (重賞勝利)2008年、2005年ジャパンCダート(GI)、2006年フェブラリーS(GI)、2005年ダービーグランプリ(GI)、ジャパンダートダービー(GI)、2009年川崎記念(JpnI)、2008年東京大賞典(JpnI)、2005年ユニコーンS(GIII)、2010年マーキュリーC(JpnIII) 彼のパドックでの姿は、近年ではウオッカと並んで走る馬のいい見本だと思いました。彼はイレ込む姿をほとんど見せなかったですね。いつも堂々と落ち着き十分、力強い歩様で周回していました。
by Yuuichiro_K
| 2010-09-06 23:13
| パドック写真
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Comments(4)
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urasimaru at 2010-09-07 23:05
こんにちは。カネヒキリが引退できてホッとしてます。競走成績も素晴らしいですが、それ以外の貢献もすばらしい歴史的な名馬だと思うので、うんと長生きしてほしいな、と思います。
個人的にはヴァーミリアンファンなんですけどね^^;
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kozou_17 at 2010-09-08 02:06
種牡馬入りできて良かったです。サンデーサイレンスの仔が多すぎてダメなんじゃないかっていう話も聞いてましたから。これで芝の活躍馬が出れば、今後、ダートで活躍した馬の評価も変わるかも知れませんね。それにしても、改めて戦績を見ると、ダートで馬券を外したのは2回だけなんですよね。ほとんど1着か2着。しかもこの歳まで。本当にすごい馬だったなぁ。
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Yuuichiro_K at 2010-09-09 00:08
☆urasimaruさん
引退できてホッとしてます、という感想。僕も全く同じ気持ちです。種牡馬になれて本当に良かったと思います。長く頑張った現役生活同様、牧場でも息の長い活躍を期待したいです。
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Yuuichiro_K at 2010-09-09 00:09
☆Kozouさん
おっしゃるとおり、カネヒキリが種牡馬入りできて本当に良かったです。いくらサンデーの血があふれ、ダート血統だからといって、これほどの馬を種牡馬にしないなんて、あんまりですからね。ゴールドアリュールがエスポワールシチーという傑作を輩出したように、カネヒキリにも後継馬をぜひ送り出してもらいたいと思います。 |
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