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2006年 11月 16日

ディープインパクトの薬物検出の調査結果発表~凱旋門賞失格、池江泰郎師に制裁金

今日、JRAは10月1日の凱旋門賞(仏GI)のレース後、馬体から禁止薬物のイプラトロピウムが検出されたディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎厩舎)について、フランスギャロから凱旋門賞失格の処分が下されたことを発表しました。
また、フランスギャロは管理馬を保護するための十分な措置を取らなかったことから、池江泰郎調教師に15000ユーロ(約225万円)の制裁金を科しました。

このような処置がとられることになった理由については、JRAとフランスギャロの共同調査の発表で明らかになりました。

ポイントを要約すると

1 ディープインパクトは、9月13日の調教後に咳の症状が出た。

2 滞在先厩舎担当のフランス人獣医師と相談した結果、イプラトリピウムによる吸入治療を行うことになった。なお、薬品は日本人獣医師がフランス人獣医師の処方により薬局で購入した。

3 日本人獣医師は、フランス人獣医師から借りた吸入器を用い、担当厩務員と共に9月21日から25日にかけてディープインパクトに吸入治療を行った。

4  池江師は、薬物検出の知らせを受けた後、日本人獣医師と担当厩務員から5日間の吸入治療中、ディープインパクトが暴れ、装着したマスクから容器が外れて霧状化したイプラトロピウムが馬房床に噴霧したことが2回あったと報告を受けた。

5 第3者によるイプラトロピウムの不正投与される状況はなかった。

6 池江師は、吸入治療の際に、馬房内に飛散したイプラトロピウムが敷料や乾草に付着したにもかかわらず、入れ替る措置を取らなかったため、ディープインパクトが薬物の付着した乾草等を摂取したことにより陽性となった可能性があることを認めた。

7 原因が明確に特定されたわけではないものの、池江師は、禁止薬物事案を未然に防止すべき調教師としての責務を果たさず、調教師としての規律違反があったものと判断された。


今日発表された内容を読んで、これまで疑問に思っていたことが、ほぼ判明したので、大変残念な結果となったものの、今回の処分、僕は納得することができました。池江師の最大の誤算は、吸入治療中にあたった関係者からトラブル発生の報告を受けていなかったことに尽きるでしょう。危機管理ができていなかったと言われても仕方がないと思います。また、霧状の薬物が乾草に付着しても、目に見えるものでなかったのも不運でした。

僕は、10月20日の記事で今回の薬物を処方した仏獣医師を非難する内容を書いたのですが、これはお詫びしなければなりませんね。非は日本人スタッフにありました。馬房とは、別の場所で治療をしていたらこんなことにはならなかったのに・・・と本当に悔やまれます。

今は、同じ過ちが繰り返されないよう、今回の教訓が生かされることを祈るだけです。
そして、レース直前まで体調が悪かったにもかかわらず、世界最高峰のレースで好走したディープ君には、改めて良く頑張ったね、ありがとう、といいたいです。

by Yuuichiro_K | 2006-11-16 23:59 | 競馬雑談 | Trackback | Comments(0)


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