2017年 06月 04日
今日、東京競馬場では、香港からの遠征馬2頭を含む国内外の精鋭18頭が出走した春のマイル王決定戦・安田記念(GI、3歳上・芝1600m)が行われました。 レースは、川田将雅騎手騎乗の7番人気サトノアラジンが、後方追走から直線外鋭く伸びて、逃げ粘るロゴタイプをクビ差捕らえて優勝しました 昨年に続く逃げ切りを狙ったロゴタイプをサトノアラジン(右から2頭目)が外から捕らえました ☆安田記念結果 1着 サトノアラジン (川 田) 1'31'5(良) 2着△ロゴタイプ (田 辺) クビ 3着△レッドファルクス (M.デムーロ)クビ 4着△グレーターロンドン(福 永) クビ 5着△エアスピネル (武 豊) クビ パドックの個人的な評価は以下のとおり(A良い、B普通、C平凡) 1 トーキングドラム B 普通 2 ディサイファ B+ 力強い歩様で動き良し 3 サンライズメジャー B 普通 4 アンビシャス B+ 2人引き、キビキビと動き良し 5 コンテントメント B 2人引き、普通 6 レッドファルクス B 普通 7 グレーターロンドン B 2人引き、普通 8 エアスピネル B+ 2人引き、落ち着いて伸びやかな歩様 9 ロンギングダンサー C 落着きなし 10 クラレント B 普通 11 ブラックスピネル B+ 落ち着いて力強い歩様 12 ビューティーオンリー B 普通、首高い 13 ロジチャリス B+ 気合いを表に出して力強い動き 14 サトノアラジン B 普通 15 イスラボニータ B+ 落ち着いて動き良し 16 ロゴタイプ B 2人引き、首をグッと下げて周回 17 ヤングマンパワー B 普通 18 ステファノス B 普通 今年の安田記念は、前哨戦のマイラーズC(GII)を勝ち、2014年皐月賞以来のGI勝利を目指すイスラボニータが単勝3.5倍で1番人気。今年からマイル路線に転向、重賞で3戦連続3着以内に好走しているエアスピネルが単勝5.9倍で2番人気。昨年のスプリンターズS(GI)の覇者で前哨戦の京王杯SC(GII)を勝ったレッドファルクスが単勝7.9倍で3番人気。前走大阪杯(GI)2着、悲願のGI制覇を狙うステファノスが単勝8.1倍で4番人気。2歳時以来のマイル戦ながら中距離路線で安定した成績を残しているアンビシャスが単勝9.1倍で5番人気。この5頭が単勝10倍以下の人気を集め混戦模様でしたが、これら上位人気馬を破って優勝したのは、これまでGIでは惜敗が続いていた7番人気のサトノアラジンでした。 サトノアラジンのパドックは、前走京王杯SCの時同様、特に目立つ感じはありませんでしたが、普通に落ち着いて周回していました。レースは、逃げたロゴタイプが1000m通過57.1秒と、ハイペースで飛ばす展開となりましたが、後方4番手でじっくり脚をためると、直線は不利のない外に持ち出し、メンバー中最速の上がり33.5秒の末脚を繰り出して、逃げ粘るロゴタイプをゴール直前で交わしました。エリザベス女王杯(GI)優勝馬ラキシスの全弟という良血馬で、昨年は京王杯SC(GII)とスワンS(GII)を勝ち、マイルCS(GI)で1番人気に推されるなど高い能力を認められながら、これまでGIでは惜敗が続きでしたが、その鬱憤を晴らすような鮮やかな差し切りを決めました。前走京王杯SC9着敗退は重馬場が敗因で、衰えたわけではなかったではなかったのに予想で無印にした自分の不明を恥じたいです。また、多少のロスは気にせずサトノアラジンの持ち味を最大限に生かす騎乗をしてみせた鞍上の川田将雅騎手の好騎乗も光りました。 2着は昨年の覇者ながら今年も8番人気と人気のなかったロゴタイプが堂々の2着。パドックはグッと首を下げて気合いを程よく出して周回していました。レースは昨年同様果敢にハナを奪って逃げましたが、超スローペースで逃げた昨年とは違い、ハイペースで飛ばしながら直線も最後までしぶとく粘りました。ロゴタイプを追いかけた先行馬は軒並みバテて下位に沈んだように、改めてこの馬の強さを再認識しました。東京マイルの舞台は鬼なんですね。昨年、絶対王者モーリスを破ったのは伊達ではなかったということでしょう。7歳になっても衰えを感じさせない走り、凄いの一言です。鞍上の田辺騎手共々、素晴らしいレースを見せてくれました。 ロゴタイプ 父ローエングリン 母ステレオタイプ(母の父サンデーサイレンス) 2010年3月10日生 牡7 美浦・田中剛厩舎 30戦6勝(2017年6月4日現在) 3着は、3番人気のレッドファルクスが人気どおりの好走。パドックは前走同様、落ち着いて周回していました。レースは4コーナー後方6番手から直線上がり33.7秒の末脚で鋭く伸びてきました。2歳時以来となる久しぶりのマイル戦でしたが、全く問題なかったですね(レース後のM.デムーロ騎手の談話ではマイルはギリギリとのことでしたが)。スプリント王者がマイル戦でもやれることを示した意義は大きいですね。 レッドファルクス 父スウェプトオーヴァーボード 母ベルモット(母の父サンデーサイレンス) 2011年4月12日生 牡6 美浦・尾関知人厩舎 22戦9勝(2017年6月4日現在) なお、1番人気のイスラボニータは中団から伸び切れず8着。今日は直線で前が壁になってなかなか追い出せず、脚を余した印象。2番人気のエアスピネルは後方3番手から追い込むも5着まで。共に人気を裏切ったのは残念でした。逆に今後が楽しみになったのは、今日が初の重賞挑戦ながら4着に健闘した6番人気グレーターロンドン。中間順調さを欠いてこの内容なら無事なら重賞制覇は近いでしょう。また、香港馬はビューティーオンリーが6着、コンテントメントが10着と完敗。やはり勝ち時計が1分31秒台の高速決着になると香港馬には厳しいようです。 それでは、最後に見事優勝したサトノアラジン君を掲載します。 鞍上の川田将雅騎手は、2015年モーリス以来、2度目の安田記念制覇。なお、レース後のインタビューでは「去年から乗せて頂いて、なかなかGIで結果を残すことが出来ませんでしたが、ようやく勝つことができました。馬場も枠順もこの馬に向いてくれて、折り合いもスムーズにリズムよく運ぶことができました。4コーナーでは手応え十分でしたし、前のロゴタイプは気にせずにこの馬の競馬をすることだけを考えていました。時間がかかりましたが、ようやくGIを勝つことができて嬉しいです。枠順や流れ、いろいろと注文はつきますが、次のGIでもこの馬の能力を発揮できるように頑張りたいです。」とコメントしていました。 勝ち時計は、安田記念史上2位タイの好時計だったように、6歳でもまだまだ元気ですね。今後は再び海外遠征も視野に入れた路線を歩むそうなので、頑張ってほしいと思います。GI挑戦8度目で悲願のGI初制覇、本当におめでとうございました! サトノアラジン 父ディープインパクト 母マジックストーム(母の父Storm Cat) 2011年2月16日生 牡6 鹿毛 安平・ノーザンファーム生産 栗東・池江泰寿厩舎 25戦8勝(2017年6月4日現在) (重賞勝利)2017年安田記念(GI)、2016年スワンS(GII)、京王杯スプリングC(GII)
by Yuuichiro_K
| 2017-06-04 22:36
| 17年GI優勝馬写真
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